カスづまりの原因


プレス金型にてシンプルな加工方法にピアス型(穴をあける型)があります。パンチ凸で製品と共にダイ凹を貫いてカス(カスが製品の場合はブランク型)が落ちる工程になります。その際にダイが破損(画像の右下)してしまい要因としてはタイトルのようにカスづまりが関係しています。カスづまりの最大の要因としてはダイの裏逃げ(二番逃げ)が小さいことが挙げられます。パンチ・ダイで切られたカスは次のカスに押されながら外に排出されます。その際にダイの裏逃げが小さいと詰まる現象が始まります。カスの形状や大きさにも影響されますが、初期の段階ではプレスの力で無理やり排出されますが、ダイの中で圧縮され焼付き等が発生しダイとパンチに負荷がかかりどちらか弱い方が破損します。今回の製品の仕様はアルミA6063-T5押出材 厚さ2mmでピアス位置が外形に近い位置にあることで単純にダイ破損のリスクがあり穴形状は長穴なのでさらに条件が悪くなります。もう一つの懸念事項が破損箇所の反対側の大きな長方形の形状でダイに穴はあいていませんが、製品は大きな角ピアスとなっており特別な事情で絞りながら抜くという今回の破損箇所は二重の条件の悪さがありました。上記を簡単に説明するとダイがとても弱い形状であったということです。様々な要因があるため、初期の設計ではダイの裏逃げ(二番逃げ)をテーパー加工(カス逃げでは基本的な加工)で対応しましたが現在では破損の原因と考えています。今後の対策としてはカスに圧がかからないギリギリまで二番逃げを深く大きくし、尚且ダイ抜き加重で破損しないバランスを探りながらの調整になります。結論は出ていませんが同じ条件の他の穴が破損していないので様々な要因が関係していると思います。因みに過去にあったカスづまりの原因は まさかのカス穴がないというとんでもない状態でパンチが火花を飛ばして折れました。






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