パンチのチッピング


アルミの製品にてピアス加工時に抜きダレ最小限、バリ最小限、せん断面最大限と条件があることがあります。通常では粗ピアスにシェービングと2工程かけることが一般的ですが、工程短縮のため1工程で行うことがあります。3条件を極力満たすため、パンチ形状、クリアランスの工夫により1工程で行うことが可能(限度はあります)になります。パンチの工夫はシャー角にします。パンチ刃先を鋭利な形状にすることで打抜き負荷を軽減しつつ、ダレ、せん断面の条件を良くします。そこで問題になるのが、パンチのチッピングです。画像1の10mm近くが僅かに欠けていることをチッピングとしています。このチッピングは結果としては製品に不具合を起こしているレベルではありませんでしたが、直接の原因がはっきりしません。組付け時に不手際で発生していたか、打抜く際に硬い物が付着していたか、パンチ素材に不純物が入っていた等が考えられますが識別できるほどの痕跡がないので結論は出ません。但し、このピアス型は複数のパンチが混在したおり、大きく分けると弊社で素材・焼入れ(外注)・加工を全て行ったものと、標準パンチを購入して追加加工を行ったものとに分けられます。残念ながらチッピングしていたものは弊社で加工していたものでした。この2種類の違いは鋼種・焼入れ条件・放電か研磨の加工方法など、ほぼ違うので弊社のパンチの工法が悪いとなりやすいですが、実際は複数ある弊社製パンチのこの一箇所だけなのでやはりよくわかりません。ダラダラと結論のないことを書きましたが、結局は分からないので残念ながら不慮の事故となります。プレス金型にて過度なシャー角をつけないのはチッピングを恐れてのことなのでアルミ等の柔らかい素材限定の加工方法になります。





画像1 弊社製パンチ10mm近辺が欠けている




画像2 購入標準パンチに追加シャー角

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