プレス金型のチッピング


コンパウンド型の下パンチが画像のように破損しました。製品の加工条件は材質SPHC・t=2.0・破損箇所の形状R1.2・総生産数2000個以下となっています。加工条件で特に問題がある材質・形状ではないので、低サイクル疲労現象に該当する案件だと思います。SKD11(今回の金型ダイ・パンチの材料)に含まれる炭化物が今回の破損箇所に集中していた事でパンチが欠けてしまったと考えられます。その他では熱処理での焼戻しが不十分なことで材質硬さが硬すぎることが要因もありえますが、現物を再度硬度測定し適正な範囲を確認しました。再研削を施し再び早期破損が起こるようであれば材質を靭性の高いものに変更することも検討しなくてはなりません。金型材料の組織が問題で破損となると金型技術では中々解決できるものではないので、本来であれば組織の安定しているSKD11改良材を使用したいところではありますが、コストの問題があるので難しいです。弊社では状況に応じてQCM7・SLD-M・DCMXなどを使用しています。






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