PEUGEOT208はFF駆動なのでエンジンルームの前面にタービン遮熱板が目に触れる場所にあります。よく見るとプレス金型屋としては「こんな品質の製品あり?」というレベルの遮熱板がついています。曲げ成形に不都合な部分が全てシワ・重なり(板が2重これが許されているのは特に珍しい)となっており、これが製品として納入できるのであれば金型屋としては非常に楽ですが技術を疑われそうで複雑な気持ちになります。このレベルで良いとわかれば工程数も圧縮出来ますし、金型単価も下げる(金型調整が不要)ことが可能だと思います。メーカーの出図したモデルデータはきれいな形状をしているはずでこんなにブサイクな製品を承認いただけると思わないのでどのような流れでこの部品が採用になったのかは気になりますが、恐らくマフラー等の遮熱板はユーザーの目に触れない場所なので機能が優先される事から自動車用遮熱板はこの様なものであるとも考えられます。弊社は装飾品が多いため時々過剰に考えてしまいますが、この様な量産品も存在することが分かったので機能やコスト(この部品は多分コスト重視)と外観品質はメーカーの望むバランスが大事だと感じます。このバランスが事前に分かれば見積も予算に合わせることが可能になりますが、分からないので非常に難しいです。
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