ピアス加工の不具合


今回はプレス製品で端ギリギリの場所にあける穴についてです。端ギリギリの部分に穴をあけると画像1のように単純に膨らみます。板厚・材質・穴形状にもよりますが、安全な距離の見極めが困難です。そこで変形の回避の方法として下穴をあけることで対応します。工程としては下穴加工(プレス加工又はドリル切削加工)を行い、さらにシェービング加工を行うことで加工負荷を軽減し側面の変形を防いでいます。下穴がφ3.0(画像2)で本穴がφ4.0では画像1のように膨らみます。そこで下穴を0.1単位で大きくして膨らまない下穴径を決定します。今回はφ3.8が適切な穴径(画像3)となりました。注意点としてはプレス加工であける下穴と切削加工であける下穴では若干結果が異なるのでシェービング後のせん断面の要求が高い場合は注意が必要です。今回の変形の不具合に対して、金型の機構を複雑にすることで回避する方法等、様々な選択肢がありますが、実際は複数のピアスがあいている製品で美観も重要なことから工程のかかるこの方法を選択しています。その他の加工方法につきましてもお気軽にお問い合わせください。





画像1 下穴φ3.0 本穴φ4.0プレス加工を行った際の変形




画像2 下穴3.0ドリル切削




画像3 下穴φ3.8 本穴4.0プレス加工

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