絞り金型にて絞りダイの耐久性(強さ)は、製品形状・工程・金型構造などにもよるので判断がとても難しいところです。今回の状況は全ての条件が悪いために実験的にトライした結果になります。画像1、2はダイが大きく破損(亀裂)しているもので、ダイの逃げ部分(調整代)を起点に破損しています。もちろん、設計時にこの状況は想定していましたが、どの程度ダイの肉厚があれば強度を満たしているかを判断することが大変困難な形状なため、金型の調整代を最大限に取ることを優先した結果が破損となりました。破損という結果は金型屋にとってとても悲しい気持ちになりますが、調整代を少なくしダイ強度を上げることは、ここまでの結果で可能と判断できましたので一歩前進となります。少しの強度アップで劇的に耐久性が改善することもありますので机上での判断はとても難しいことです。このようなトライ・アンド・エラーを繰り返しているので、今後のためにデータ化できれば良いのですが、同じ形状はありませんので経験値の蓄積にはなっていますが、もったいなく感じます。
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