他社製の金型修理もお受けしております。他社製で依頼が来るのは残念ながら製造メーカーがやめてしまっていることがほとんどです。弊社も安易に修理を引き受けますが、とても大変でコストがかかる作業になります。製造図面はありませんので破損した金型から採寸して行くことから始めます。古い金型はケガキで位置出しし穴明けしていることも当然のようにありますので、なぜこんな半端な位置に穴が開いているのか頭を悩ませることが多々あります。近年の金型ではCADやNC加工機で管理・製造するので現物からも設計者の意図が読み取りやすい傾向になっています。画像の金型は座標やピッチが0.2程度、部品図面より狂っていました。パンチをカシメていたり細工(誤魔化し)をしていると採寸が悩ましくなります。金型が0.2狂っていれば製品も0.2狂います。おそらく当時ミスを誤魔化したか設計変更が入っていたかが考えられます。金型を見た感じでは前者の誤魔化しに感じますが、お客様に問うても現部品で問題ないから同じように作るように指示があり、型屋的にはなんとなく数値のきれいな状態に直したくもなります。今回の金型修理はワークが小さく、平面的な要素で構成されているので比較的に容易な部類になりますが、考えさせられます。
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