プレス金型の改造依頼も承っており、今回の案件は改造することで作業効率の改善を目指しています。問題点としてこの金型の内容は2種類の部品を一つの金型で微調整しながら打ち分ける多少手間のかかるもので作業・調整者には負担になっており、イニシャルコストを抑えるためにこのような金型構造になったと思います。改造の経緯は以上で悩みになってくることが分解・清掃・測定作業をすることで分かって来ます。今回の金型を観察するとおそらく様々な金型部品を組み合わせたものか、改造を重ねた歴史のある金型と推察されます。そこで再利用する部品を測定・記録すると、通常設計する際は切りの良い数値(0、5、10とか割り切れる偶数など)に設定するので、多少の誤差があっても狙いを切りの良い数値に置き換えることができるのですが、この金型部品は分かりにくい(根拠のわからないバラバラな値)数値で設計されていて悩みます。このような場合は再使用での組立不具合が予想され、調整が大変になります。その他では、画像の下部品の中央真ん中のドリル穴で、開いている用途が不明です。加重を逃がす何かしらの先人の知恵?と一瞬思いましたが、同様の部品の裏には開いていないので、単純に加工者が間違っただけだと思います。こういった些細な事も悩みながら作業を進めています。金型製作図面が無い金型を改造するには毎度のことですが、新規金型にはない困難な作業が続きます。
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